ヨン・サンホ×チェ・ギュソク『지옥( 地獄 / Hellbound)』書き起こし記事から ~私が面白く感じた部分~

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今年2月にアップされていた作家インタビュー書き起こし記事を読んでみました。
訳が至らない部分もあるかと思いますので、気になる方は原文をご覧ください。

www.nocutnews.co.kr


音声はこちら。





序盤は以前、読んだ記事と少しかぶるので省略します。
二人はもともと友達の友達だったこと。
『地獄』は未知の存在に対する恐怖を扱う“コスミックホラー”というジャンルに属しているが、私たちはそういうストーリーが好きですよね、ということをお話しています。

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※以下、ストーリーについても言及ありの内容となります※




◇キム・ジョンデ(パーソナリティー)
だから、必死に意味を探る、とても印象的な集団が出てきます。
화살촉(直訳すると“矢じり”)。
地獄に行く人たちはどんな罪があるのだろう、お前の罪を自白しろ、と言いながら意味を作って(その状況を)社会化しようとする。


◆ヨン・サンホ
ここではこの現象の中に、私たちの社会で起きそうな群像をいちど描いてみようとしたと思います。
その中のひとつが“화살촉”という集団です。


◆チェ・ギュソク(作画)
提示される設定の中で伸ばせるすべての枝を、おたがいに投げ合うんです。
その枝の中に良さそうな枝があれば生かして。


◆ヨン・サンホ
その時がいちばん楽しかった気がします。


◆チェ・ギュソク
それがいちばん面白かったです。


◆ヨン・サンホ
ふたりが集まって1日中たくさん会議したのが。


◆チェ・ギュソク
1日中コーヒー飲んで~ラーメン食べて~。主に漫画カフェで。


◆ヨン・サンホ
主に作業していた漫画カフェがあるんですが、そこは人があまりいません。
人があまりいなくて、会議室がいつもがらんと空いていて。


◆チェ・ギュソク
ホワイトボードもあって。


◆ヨン・サンホ
ベッド、ソファみたいな所もあって、そこでコーヒーとかを頼めば私たち以外は毎日来ないから、そこの漫画カフェで何時間も問答して、ちょっと詰まったら寝転んでマンガを読んで。
そこが漫画カフェだからラーメン作って食べて。


◇キム・ジョンデ
そこの漫画カフェの主人にしたら、あの二人はいったい何をする人たちか、と気になったでしょう。


◆ヨン・サンホ
作家だろうとはわかっていたと思います。
(そこは)マンガ家たちがたくさん来たので。


◆チェ・ギュソク
マンガ家ということはご存じだと思います。
なぜかというとマンガ振興院がすぐ横にある漫画カフェだったから。


◇キム・ジョンデ
作品がそのように誕生したんですね。
漫画カフェでマンガが誕生しました。
そのようにしていろんな『地獄』のキャラクターたちが誕生しました。
本人たちが創造されたキャラクターです。
そうではありますが、この人はぜひ会って話したい、慰めたい、抱きしめたい、そうでなければ叱ってあげたい……という気持ちが湧くキャラクターがいるなら紹介してくださいませんか?


◆ヨン・サンホ
私はマンガを読む時よりも、むしろ、撮影をした後なので、ユ・アインさんが演じたチョン・ジンス議長。


◆チェ・ギュソク
エセ宗教の教主です。


◆ヨン・サンホ
このチョン・ジンスという人物に憐れみを感じました。


◇キム・ジョンデ
その方もエセ宗教とは言いますが、世の中に善良さを伝える律儀なキャラクターとして描かれていましたよ。


◆ヨン・サンホ
ここでチョン・ジンスが話す律義さというものの裏にはまた悪というものが存在して、チョン・ジンスというキャラクターはそんな善と悪が共存しながら、一方では残忍で一方ではとても憐れみが感じられる複合的な人物だと思います。


◆チェ・ギュソク
いずれにせよ、世の中でいちばん哀れな人だと言うのは合っています。
彼のような経験をした人は誰もいない、という状況で20年を生きてきたんですから。



~~~ここで、チェ・ギュソク作家が「描いていると、キャラクターはどうしても演技する俳優に似てきてしまう」という話をされます~~~



◇キム・ジョンデ
事実、これはマンガを読んでこそ、共感されると思います。
内容の中に、二人の子を持つシングルマザー、パク・ジョンジャさんが出てきます。
この方が、5日後に地獄に行くという告知を受けます。
しかし、自身が地獄に行く場面ー即ち死ぬ場面ーを地上波で中継すれば30億ウォンをくれるという話に「母だからと言って(子どもたちに)何もしてあげられないからかえって良い機会だ」の乗ることにしました。
残酷な設定じゃないですか。
どうやってこんな設定が出てきたのでしょうか。


◆ヨン・サンホ
とにかく、『地獄』のひとつひとつのエピソードがとても劇的な状況でないといけなかったと思います。
だから、この作品を読んでいる読者たちがどうしたらこの状況に出くわして、考え、悩み、より劇的に受け入れるかについて、実は二人でたくさん話したと思いますし、ここでパク・ジョンジャというキャラクターの状況が作られたのでしょう。


◆チェ・ギュソク
パク・ジョンジャの本心は違うと思います。
とにかく迫りくる悲劇があるのであり、不運の中に(彼女の)運があるのです。
そして、弁護士たちが積極的に前に行かないから彼らをプッシュしたりもして。
そして、この状況を少しでもましな方向にセッティングしてみようという、そんな気持ちであって「私が死んで30億ができれば本当に良いことだ」そんな(前向きな)気持ちでしたことではないと思います。
「(こんな悲惨な状況だけど)それでも良かったですよね?」
そんなことでしょう。


◇キム・ジョンデ
その、悲劇をまた機会として作り出す、哀れな姿が浮き彫りになる、私としてはいちばん緊張感が高まった、そんな場面だったと思います。
もし、おふたりがこのマンガの中に入られて地獄へ行くという告知を受けました。
そうしたらどうされますか?
何から処理されたいですか?


◆ヨン・サンホ
私はひとまず著作権問題から、弁護士に会って処理しなければならないかな?
家族がいるから著作権が家族に無事引き渡せるように。


◇キム・ジョンデ
ずぶん実用的な整理をされますね。


~~~ここからヨン・サンホ監督とチェ・ギュソク作家が、著作権の整理は大切だ、という話をされます~~~




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◇キム・ジョンデ
『地獄』がもうすぐネットフリックスで放映になると聞きました。
どんな俳優が出るのかとても気になります。



◆ヨン・サンホ
実は、今回のような場合は、私が俳優の皆さんの演技という部分、作品を一緒に作る同僚としてもっとも信頼する俳優を集めようという努力をたくさんしました。
ユ・アインさん、その次にパク・ジョンミンさん、そしてキム・ミンジェさん、ウォン・ジナさん、キム・ドユンさん、キム・シンロクさん、リュ・ギョンスさん。
私が演技的にとても信頼する俳優の皆さんと仕事をしたくて、おひとりおひとりを、ドラゴンボールを集めるように、本当に泣いて訴えて……こんな風に一緒に仕事するのを訴えた気がします。


◇キム・ジョンデ
封切りはいつになりますか?


◆ヨン・サンホ
今年下半期になると思います。


◇キム・ジョンデ
今年下半期ですか?
撮影はすべて終わっても、まだもうちょっと待たないとならないんですね?


◆ヨン・サンホ
後半の作業…コンピュータグラフィック作業とか、そんなことがちょっと残っています。
今、やっている最中です。


◇キム・ジョンデ
それでは、信頼できる俳優の皆さんと一緒にそのように作業を終えました。
演出をされながらもっとも重点を置かれた部分があるなら、どんな部分ですか?


◆ヨン・サンホ
私ではなく、「他の演出家たち」のこの作品に対しての解釈みたいなもの。
私が書いた作品についての解釈を見守ることがすごく面白かったです。

今回の作品では、実は何かをたくさんすることよりも「他の演出家たち」=俳優の皆さんが解釈するー俳優が演出するーそれぞれの人物の姿などを見守る面白さがあったように思います。
ユ・アインさんがチョン・ジンスというキャラクターを解釈し、表現する方式。
キム・ヒョンジュさんがミン・ヘジンというキャラクターを解釈し、表現する方式。
そんなことを見守ることだけでも、すごく楽しい経験でした。


◇キム・ジョンデ
わかりました。本当に楽しみですね。
マンガで読んで、映画で観ればより楽しいでしょう。
最後にこの作品を待っているリスナーたちにひとことずつお願いします。


◆ヨン・サンホ
『地獄』という作品はある意味、私が好きだったマンガというもののトキメキのようなものを読者たちが感じるのを願いつつ作った作品なので、マンガで読まれたりwebでご覧になったり、そうでなければ待たれて映像でご覧になって、私が(その時違う作品を見ながら)感じたトキメキのようなものを感じて欲しいです。


◇キム・ジョンデ
トキメキを強調してくれました。チェ作家は?


◆チェ・ギュソク
私も、前作とはカラーがまったく違う作品を描いたじゃないですか。
だから、周囲からずっとこんな心配がありました。
こうやってカラーが固まるのではないか。
私はカラーが固まること自体は心配ではありませんが、これで本当に幼い時に面白く観たものを(自分が)いちどもやらずに死んだらどうしようという心配がありました。
今回はとにかく、本当に面白い話。
ただ面白い話をやってみたかったし、それをやったんです。
映像が出るのを待たなくても、既にネットで『地獄』を検索すれば200ウォンで1本ずつ見ることができるので。


◇キム・ジョンデ
わかりました。


◆チェ・ギュソク
見てください。




こちらで6話までは無料で読めます。
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