NETFLIXで観た韓国ドラマ / “胸糞”を通り越し良い意味で胸に残った『憑依~殺人鬼を追え~』【ほぼネタバレ】

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もともとドラマよりも映画を観る方が多い私ですが、2020年はいつもよりもドラマを観ることができました。
特に心に残ったドラマについては別の場所で話しています


NETFLIXトップ画面に『憑依~殺人鬼を追え~』が表示されていたので、今日はこのドラマについて私の感想を残しておきたくてブログを開きました。



そんなに視聴者が増えてるのかな、このドラマ?



と言うのも正直、中盤以降「なんという胸糞ドラマなんだ~~~~ヾ(`ω´*)ノ"」と思いながら観ていたんですよ。
私は通勤退勤のバス移動の時間を使ってドラマを観ているので「なんで朝からこんな鬱展開ドラマを観ながら仕事に行かなきゃならんのだ」という気持ちでした。

それが最終回を観終えて、しばらくするうちに「でも、あの辺りは良かったよね」「最期の選択もあれで良かったのでは」等々、思い返すことが多く、なんならYouTubeでOSTも探して聴いて。
なんだかんだで好きな作品になってしまった不思議なドラマだったのです。





クリックすると読みたい箇所に飛びますv⌒v⌒ミ(ノ´∀`)ノ♪

あらすじ

原題:빙의
2019年/韓国
脚本: パク・ヒガン
出演:
サンドン警察署強力犯刑事カン・ピルソン役 ソン・セビョク
霊媒師ホン・ソジョン役 コ・ジュンヒ
連続殺人鬼ファン・デドゥ役 ウォン・ヒョンジョン
ファン・デドュを検挙した刑事キム・ナクチョン役 チャン・ヒョクジン
ハンウル医療院外科医ソン・ヤンウ役 チョ・ハンソン
TFグループ常務オ・スヒョク役 ヨン・ジョンフン
サンドン警察署ユ班長役 イ・ウォンジュン
サンドン署の同僚チェ・ナムヒョン役 パク・ジヌ
同 キム・ジュンヒョン役 クォン・ヒョッキョン
ユ班長の娘ユ・スンヒ役 チョン・チャンビ


1990年代、世間を恐怖に陥れた連続殺人犯ファン・テドゥの死刑がついに執行され再び平穏な日々が戻ったかと思われた韓国・ソウル。
時が流れたある日、彼を検挙した刑事キム・ナクチョンは怪しい人物に殺害される。
それから間もなく、ファン・デドゥは他人の身体に憑依して人知れず2019年の現在に甦った。
物語の主人公は強力班所属の刑事カン・ピルソン。
担当地域路上で麻薬事犯と追撃戦を広げていた所、彼を(見た目で)犯人と勘違いした女性ソジョンから殴られる。
その時、霊媒師の娘であるため霊感を持つソジョンは彼の魂を見抜き、幻影が見えたり悪寒を感じたりしたら連絡するようにと名刺を渡したことから二人の縁が始まり、また、霊を感じることができる二人は程なくして、蘇ったファン・デドゥの殺人ゲームに巻き込まれていく―。



ハイライト動画はこんな感じ!
日本語版で動画が見つからなかったので韓国版です。
でも、主な登場人物と中盤までのいい場面がセレクトされてるので映像を観るだけでも楽しめます ↓↓↓




複数ジャンルを楽しめる面白さ

ファン・デドゥが死刑宣告をされるまでのシリアスな経緯をプロローグで語りつつ、カン・ピルソンたち強力班をわりとコミカルに描いて始まるこのドラマ。
基本的にはファン・デドゥを追跡し、やがてファン・デドゥに追い込まれていく“スリラー”ジャンルです。
もともとスリラーが好きということと、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』で主人公ドンフンの弟を演じていた俳優ソン・セビョクが気になり観始めたドラマでした。


スリラー路線の上に次々と、
カン・ピルソンとソジョン及びカンの同僚たちのラブライン(ラブコメから悲恋に)
オカルト・ホラーチックな描写
カン・ピルソン自身、上司や同僚、ファン・デドゥそれぞれの“家族”の物語
上司の娘と、女性部下の“義姉妹”関係
いきなり放り込まれる“ゾンビ”要素
・・・なかなかに追加されていくエッセンス。



こんなほのぼのキュンキュン♥サイクリングシーンもあり。

覚悟を決めて霊媒師となったソジョン。
この衣装、よく似合ってました。


また、中盤にカン・ピルソンが「ファン・デドゥが人間に憑依しているのなら、かつての好敵手キム・ナクチョン先輩を俺に憑依させてくれ!!」と言い出し、霊VS霊という展開になったのは新鮮で面白かったです。
(カン・ピルソンは“素質”がある側の人間でしたからね)




主人公を徹底的に追い詰める胸糞展開

中盤までは興味を引かれる展開だったものの―

韓国内では「今までこんなOCNドラマはなかった」と評されたらしい本作。
(OCNは推理、スリラーに定評のある放送局)


そりゃそうだろうなぁ。
映画アプリFilmarks上でも他の方がレビューに書いている通り、想像した以上の胸糞ドラマに変貌していきます。
韓国版wikipediaであるナムウィキの作品情報ページにあった「さつまいもを100万個は食べたような重苦しい展開」は言いえて妙でした… (`Δ´;) ヌゥ 


ファン・デドゥは殺人ゲームの次に、死霊を現世に蘇らせ生者と死者の両世界の均衡を崩し、この世を地獄に作り替えるという構想を実行に移していきます。
もうめちゃくちゃだーΣ(°д° ) ! 




この時点でファン・デドゥの標的はカン・ピルソン個人へと移っており、彼を苦しめるために関わりのある人間を殺害すると宣戦予告。
ゲームを止める条件はただひとつ。
「人間は皆、心に悪魔を持っている。自分でそれを認め、最愛の人間を殺すこと」


幼い頃に家族を失っているカン・ピルソン。
そんな彼が今、最も愛しているのはソジョンです。
しかし、彼女を殺せるわけなどないのでゲームは膠着。
ファン・デドゥはソジョンの友人、強力班の同僚とその家族までをも順番に殺していき、これ以上犠牲を増やさないためにソジョンを殺すしかない状況に追い詰めていく―。


暴力や殺人シーンも容赦なく描く韓国映画をそこそこ見慣れてきている私でも14話、15話には「ま、まだこの地獄が続くのか……」と心の中で白目を剥いていた程。
(NETFLIXでは全16話)
胸糞展開に耐性の無い方には相当しんどいと思います。




仄暗い道を抜けた先

でも、16話でなんとか盛り返してくれました!
これから観る方はなんとか最終話まで這って行って欲しいと思います!
心身共にボロボロになったカン・ピルソンの窮地を救いに来てくれたゴーストメンバーズや、どんな時でも味方になってくれていた射撃の名手・ユ班長の姿に涙ぐんだり、ファン・デドゥを追い詰めていくカン・ピルソンの気迫に胸アツだったりするんでどうにか頑張ってヽ(TДT)ノ
(まぁ、追い詰めた末の結末にまだ脱力するんですけどね)




結局、殺人鬼ファン・デドゥの動機は非常に個人的なものだったし、刑事カン・ピルソンが標的にされてしまったのも「幼い頃の境遇が自分と似通っているのにどうしてカン・ピルソンは闇墜ちしなかったんだ!捜査中に俺の過去を知ったならどうして慰めの言葉ひとつかけてくれなかったんだ!」というファン・デドゥの一方的な“憤り”からでした。


とても理不尽な理由です。
そんなことであんなにたくさんの人を殺したのか?


でも、現実の世界でも日々起こり続ける悲しい出来事の根っこにあるのは、突き詰めていけばごくごく個人的な感情……ファン・デドゥが持っていたような憤りなのではないでしょうか。
最後までなかなか消えてくれないファン・デドゥの霊は、社会に蔓延する見えない憤りを体現したものであり、刑事として人間としてファン・デドゥに屈しなかったカン・ピルソンは人間の良心を最後まで手放さなかった正義そのもの。


「憤りは切実な思いは勝てず、悪は決して善に勝てない」



そして、最後の最後のシーン。
切実な思いを抱いてカン・ピルソンが選んだ仄暗い道のはるか先にはあたたかな光が見えて……それだけが救いでした。

現世では結ばれることのなかったカン・ピルソンとソジョン。
しかし、善なる魂はいつかどこかで必然的に出会う縁で繋がっているのです。

とは言え、あのラストも賛否両論モノだと思います。
「どういう事?」と気になる方はぜひ、本編を観てみてください。




切なさ溢れるOSTも◎

韓国ドラマは、ひとつのドラマ内で主題歌、挿入歌がたくさん流れます。
「この曲を聴くとあのシーンを思い出す!」というように印象的な使われ方をしますね。
『憑依』も、スリラーものなのに主人公ふたりがいろいろと辛い境遇におかれているので、切ないバラードが多めでした。

まずはOSTから聴いてみるのもよいかも~。
OST動画あるあるでドラマのダイジェストが流れるのでこれでだいたいの展開を観るのも手ですね。






主演ソン・セビョクについて

さて、最後に私がこのドラマを観るきっかけになったソン・セビョクさんについて少しだけまとめて終わりたいと思います。


ソン・セビョク 송새벽
「セビョク」とは夜明けという意味で文字通り、夜明けに生まれたそうです。(1979年 12月26日生まれ)
もともとは映画や演劇界で活動されていて、ドラマ出演は今のところ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』と『憑依~殺人鬼を追え~』のみ。




2005年に短編映画でデビューしたのち、2009年にポン・ジュノ監督の『母なる証明』に出演。
通称セパタクロー刑事。
『母なる証明』はだいぶ前に観たので先日再視聴。
たしかに…ソン・セビョクでした。(写真左)




DVDコメンタリーで監督が彼をひときわ称賛していたそうなのですが、日本版DVDでも言及ありました?
DVDは買ってないのでもしあるなら買おうかな……。
このキャスティングは、監督が俳優を探しに大学路に演劇を見に通った時に彼を発見し実現したとのこと。





その後も19本の映画に出演。
私はオンラインで韓国語フリートークレッスンをしているのですが、映画の話題になった時に先生に「最近ソン・セビョクが好きなんです」と話題をふったら、「彼はよく知られている俳優さんで映画にたくさん出てるよ~」とすぐリアクションが返ってきた程です。



私もこれまでに何か観たかな? とフィルモグラフィを確認してみたところ、

『春香秘伝 The Servant 房子伝』(お役人さん役)
なんとなく観た気がする……作品自体おもしろかったので後で見直そう。



『人類滅亡計画書』(オムニバスの3作目に主人公のおじさん役で出演)
この作品は韓国映画ファンが「ペ・ドゥナ主演の映画か?」とジャケットに騙されて観る映画ですね。
実際、ペ・ドゥナが出てくるのは3作目のラスト数分。
この時のソン・セビョクはちゃんと記憶にあります!





まだこれだけしか観れてないのに、この風貌と雰囲気、口調が好みでもっとほかの作品を観たくなる人になったのでした。
『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』の三男坊役では口より手が先に出ちゃうタイプの人で、常に悪い言葉を口にしてましたけど。


映画界でひと花咲かすことができなかった三男坊が苦渋の表情で絞り出す映画に対する思いと、自分のコンプレックスを誤魔化すために傷つけた人への謝罪の言葉に胸がつまり、かつて傷つけた人に今度は愛をもって支えていく姿にときめいたものでした。
その愛する人とも別れ、最後はひとりでまた映画に立ち向かっていく―
そんな三男坊を、かつて第二のソン・ガンホとも呼ばれたらしいソン・セビョクが演じてることにもグっときました。


あっ!「かつて」なんて言ってしまい今は売れてないみたいなニュアンスになっちゃいましたが、ずっと映画界で活躍してる方ですからね!
韓国では映画は芸術として捉えられているので、ドラマより映画の方がステイタスが高いという風潮があるそうです。
ただ、最近ではNETFLIXオリジナルで大作・人気作がどんどん出て来ているのでこのへんの認識も変わっていくのかなあ?



そんなソン・セビョクの日本公開最新作『真犯人』はミステリー。
日本では上映館が少ない&1週間限定上映とかでこの先、どこで上映されるのかよくわからなかったのでDVD視聴の方が確実で早いですね(´・ω・`)



真犯人(字幕版)

真犯人(字幕版)

  • ソン・セビョク
Amazon




これからも少しずつ彼の出演作を観ていきたいと思います!




ちょっと長い文章になってしまいましたが、ソン・セビョクに、『憑依~殺人鬼を追え~』に興味を持ってくださる方がいれば嬉しいです。




2022年7月15日 追記 『ベイビー・ブローカー』にも出演

まったく知らずに観に行ったので登場シーンでびっくり、テンションが上がってしまいました。
『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』でのご縁かな。三男が是枝監督について語る回を観なおしたくなりました。




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