【感想】BURNING HELL 神の国(Netflix『キングダム』原作)

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Netflixオリジナルドラマ『キングダム』をたまたま観ていっきにハマった2019年夏。
そこから半年待ってのシーズン2。
1&2通してまだ2周くらいしかしていないのですが、主にTwitterやYouTubeで断片的に想いを寄せ続けている作品です。

父子“対決”にはならなかったけど、悲しい最期でしたね…



とりあえず、毎話あのクオリティなのでシーズン3やってくれるにしても制作期間がかかるのは仕方ない(むしろちゃんとかけて欲しい)ので、その間も何かしら新しい情報に触れたいな~~~と考えてはいたんです。

シナリオも出てるしね!!
でも、去年、韓国で好きな映画俳優さんのエッセイを買ってきたものの半分までも読み進められず放置中の私にはオール韓国語のシナリオは難易度が高すぎる。


と、そこで原作の漫画を読んでみようと思いついたのでした。


オープニングにも出てきてるコレ↓



原作
<神の国>(YLAB )

YLABは世界市場へ本格的に韓国漫画を進出させるという遠大な目標を持って尹仁完さんが設立。
韓国のマーブルコミックスになるという野望を持っている会社。
サイトのビジネス紹介ページにもしっかりドラマ『キングダム』が掲載されています。

YLAB(와이랩)



で、『神の国』を検索すると韓国書籍をよく買う方ならご存じであろう、にゃんたろうずさんですぐ出て来るんです。

store.shopping.yahoo.co.jp



出てきた画面を見て私は声を上げましたよ。
なんでもっと早く原作を検索しなかったんだとㅠㅠㅠㅜ
作画が梁慶一先生!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヤン・ギョンイル! 양경일! Yang Gyeong-il!
『新暗行御史』の梁慶一先生だったなんて……!!!
この辺は最後にメモを残すので、先に進みます。


サンプル画像を見て気になるのは、ハングル表記がメインだけれど日本語表記もあること。
でも商品ページの注意書きには「この本は韓国語で書かれている」とあります。
問い合わせたところ、下記のような回答でした。

あ~~~~~~~~、じゃあ、無理なので(諦めが早い)。
梁慶一先生作画なら日本語版も出てるだろ、と検索したらすぐ出てきたのでそっちを購入しましたー!!!(課金するのも早い)

[asin:B00WW8IT10:detail]




『神の国』ともう一遍『BURNING HELL』も収録。
表紙を見ると『神の国』が副題っぽく見えるんですが、2つの話は関連はありません。
でも、どちらも“怪物”が出てきて人がバッタバッタ斬られたり噛まれたりして死んでいきますので、そういうのを漫画で読むのが苦手な方は自衛してください。

ビックコミックスでの連載は2014年~2015年。
2015年にコミックス発売。
韓国でもweb漫画(webtoon)が連載されました。
この翻訳記事を見ると、ゆくゆくはドラマ制作を見込んでのことだったようですね。
私はともかく、梁慶一先生作画だったことに圧倒的感謝!!!

「ブロックバスター級の素材が現実的な問題のためにすぐに映像化されていないとき、ウェブトゥーンは良い代替することができる」
「映画やドラマコンテンツの専門家が、斬新な素材で、このラップのドアを叩くなら、いつでもレベルの高いウェブトゥーンで製作して創作者たちに力を与える医者がいる」
http://translate.google.com/translate?depth=4&hl=ja&ie=UTF8&nv=1&prev=_t&rurl=translate.google.com&sl=ko&sp=nmt4&tl=ja&u=http://m.entertain.naver.com/read%3Foid%3D213%26aid%3D0000950820

ドラマ制作前のキム・ウニ作家インタビュー記事も貼っておきます。
k-plaza.com



では、肝心のあらすじです。

金で雇われ、刺客に追われる王子イ・ムンを護衛することとなった山賊ジェハ。
(王子は死んだと流布されている)
死者が夜になると蘇り生者を喰らうという奇病・生死疫(センサヨク)が蔓延した地で逃避行を続ける。


生死疫の罹患者は昼間は活動できない点が特徴。
また、この病の正体・発症の条件に繋がる、ある“凄惨な秘密”が隠されていて、イ・ムンが背負う宿命と結びついてくる。
旅路の中でジェハの過去の物語も同時に浮かび上がっていくし(実は生粋の山賊ではない)、二人が目指していた場所「持律軒(ジュルホン)」に向かう中で医女・スジョンにも出会ってー。
ひとつの危機を乗り越えた三人は生死疫の治療薬を探す旅路を進む。



そうなんですよね~~~短期間連載(全4話)だったので「3人の旅は続く」で終わっちゃうんです。
短い話ながらもこの世に生まれ生きて行かなければならない地獄と、その中でも逞しく生きようとする人間たちの姿を描く本作はやっぱり『キングダム』の“原案”だったと感じました。





以下、私が特に面白いと感じたことをメモ的に残していきます。

◆K-ゾンビの源流

私はヨン・サンホ監督の『新 感染』で韓国映画にハマった人間なので、K-ゾンビの始まり=『新 感染』という思い込みがあって。
2012年公開の『人類滅亡計画書』に出てきたゾンビぽい奴はゾロゾロ歩いてました。
それ以前にもゾンビが出て来る映画はあったものの不発だったようです。
で、あのとにかく動きが速い奴らが2016年公開の『新 感染』(『ソウル・ステーション』も同年公開だったのでこれも含んで)で登場して大ヒットしたから、それ以降に韓国で一般的に(?)描かれるようになっていったんだな~~~って思ってたんです。
『キングダム』を初めて知った時は失礼ながら「新 感染に出てきたみたいなゾンビを時代劇に出すんでしょ」って印象でした本当にごめんなさい。


『神の国』発表はそれより前。
すごい速度感のある絵で描かれています。
めちゃめちゃ走ってる!
(漫画では川の中まで追ってきてるので、水NG設定はドラマのストーリー展開の都合でプラスされたのかな)

映画公開までの構想&制作期間を考えると、発表のタイミングは『神の国』の方が早かったけれど、動きの速いK-ゾンビは同じような時期に構想されてたんだろうなーって想像しました。
2002年の『28日後…』、2013年の『ワールド・ウォーZ』から着想を得たのでしょうか、走るゾンビ。
こういう風に、各国で公開される作品で描かれる「ゾンビ設定・特性」に着想を得て新作が生まれていくのを観察するのもゾンビ映画の楽しみのひとつなんでしょうねぇ。

◆このすべてを生み出した発端…王宮へと向かう

持律軒の院長先生が官僚の要請で王宮に向かうことになるんですが、そこで口にしたのが「イ・ムン王子の命を救う唯一の方法だからだ」という台詞。
(ドラマで院長先生は王宮に行って帰って、してるんですけど)


そもそも生死疫とは

夜な夜な生き返る飢えた人々
死と生を行き来する不治の病

生死疫は誰もがかかる病気ではない
飢えに負けて死人の肉を口にしたものが自ら死したのちに蘇る
もっとも哀れな民のみがかかる病気なのだよ


原因は日照りなどの天候による不作、そして戦の続く世。
それなのに税は増え、人々は圧迫されていくばかり。
最たる原因、すべてを生み出した発端は王宮とも言える。
ドラマでは初めて人をゾンビ化させたのは朝鮮出兵あたりのようでしたけど、その頃の民の暮らしを考えるとこんな感じだったんだろうとも想像できます。
こんな風にして生まれた病が変容していったこと、あの草自体にもまだ謎は残っていますし、何よりシーズン2のラストで新王にも蟲が寄生していたという描写もあり。

新王のお名前出てましたっけ?
イ・ムンでなくとも、まだ幼い子が病に冒されていくのは防ぐだろう~?
この漫画は“原案”的なものだから「イ・ムン王子の命を救う唯一の方法だからだ」がシーズン3に繋げられることも考えられるし、蟲の謎を突き止めた世子一行がまた王宮に戻ってくるのでは?!
と、妄想を膨らませています。




ドラマとはキャラもストーリー展開も違うので、漫画は漫画。
でも、あの部分はこの原案から展開されたのも~?
という風に楽しめそうな方にはオススメしたいと思います。

なにしろ絵が良き……。



梁慶一先生、現在はピッコマで『剣鞘の子〜けんしょうのこ〜』を連載中です。
piccoma.com




梁慶一先生との出会いは2004年頃でした。
自粛期間中、よい機会と思ってその出会いの作品を読み返していたのでした。
mongolia.hatenablog.com

mongolia.hatenablog.com


『新暗行御史』以降、『MARCH STORY』『DEFENSE DEVIL』『悪魔弁護士クカバラ』あたりまでは追っていたんですがちょっと距離が出来ちゃってたんですよね。
今年に入ってから、以前の作品に再会&新作に出会えて本当に嬉しい。。。



ドラマの方はオフショットを見るのも楽しみです。
あんな大変なドラマなのに(ΦωΦ)



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