【感想】韓国が嫌いで 한국이 싫어서

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Twitterのタイムラインに流れてきてひときわ目を引いた『韓国が嫌いで』という小説。




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かわいい装丁もかわいいし、即amazon 予約をして購入。
そして読了したので、簡単に感想をまとめておきたいと思います。
あらすじはチャン・ガンミョンさんがわかりやすく説明してくださっています。


韓国が嫌いで

韓国が嫌いで


「この俺の人生、終わる最後の瞬間に、笑ってやるぜ、思い通りに」と歌っていたバンドのボーカル・タートルマンは所属事務所とモメた末、起業するも借金を抱えて最後は持病の心臓病で亡くなった、というニュースをぼんやりと聞きながら主人公・ケナが想像したことは―。
タートルマンは最後の瞬間に笑えなかったんじゃないの?


また、ケナが子どもの頃に好きだった絵本『さむがりやのペンギン』に出てくるパブロはペンギンなのに寒がりでなんとか難局を脱出しようと、何度も遭難しながら最後はハワイみたいな南国に辿り着き、サングラスをかけドリンクを飲みながら「君たちも、とてつもない夢、追いかけてみない?」と読者に呼びかける。
ケナはこの言葉を声に出しながら考えます。
パブロには別れがたい家族や恋人はいなかったの?



韓国で、そこそこのレベルの大学を卒業して証券会社に就職して、彼氏もいて、なんとなくは生活していけるだろうケナは、韓国では生きていけないと考えて、単身オーストラリアへ飛びます。

韓国が嫌い、生きづらいと感じる理由は小説中にさまざま挙げられています。
まず、寒い。 韓国の冬、ナメんじゃないわよーう! てくらい寒いし韓国人全員が寒さに適応しているわけじゃない。
通勤ラッシュでは人間の尊厳を奪われ、会社に行けば下ネタ上司。
これ以上の素敵な人はいないという彼氏の家族からは生活レベルが合わないという理由で冷たくあしらわれ、実家の生活も昔と比べれば変化はしたけれどこれから暮らしが上向きになる兆しは見受けられない。
そのほかにもあるけれど、いちばんの理由は社会から求められる役割、建て前をただ受け入れていくだけじゃ、自分は幸せになれないということ。


オーストラリアに渡ってからのケナは、かっこいい。
コングリッシュと呼ばれる韓国訛りの英語を負い目と思わず、往きの飛行機の中からドリンクサービスに回ってきたスチュワーデスと言葉の格闘。
アルバイトも勉強も資格取得も、努力でこなしていく。
シェアハウス営業では裁判沙汰にも巻き込まれます。
それでもケナが韓国に戻る道を選ばなかったのは、自分の力で行って自分の足でオーストラリアに発っている自覚と自信と満足感があったからだと思います。

どうして祖国を愛さないのか、って言われるけど、祖国も私を愛してくれなかったもんね。 正直言って国っていう存在に興味がなかったって言うか。 国が私を食べさせてくれて、服も着せてくれて、守ってくれたって言うけど、私だって法律を守ってあげて、教育を受けてあげて、税金を払ってあげて、やるべきことは全部やった。


これって日本にいる自分にもすっかり当てはまります。
その他にも「そうだよね」という部分はいくつも挙げられます。
女性はもちろん、男性にも共感できる箇所はきっといくつもあるのでは?
そして、どこの国籍の人でも。

だってこの小説のテーマは「人として幸せになろう」ってことだから。


最後の最後、どうして自分が韓国に残る彼氏や友人、家族のように生きていけないのか? という答えを見出します。

“幸せのキャッシュフロー理論”。

シンプルだけど、実践するには頭と心の柔軟さも必要だろうと思います。
何を言っているのか? それはケナの物語を読んでみて欲しいのでここではあえて解説はしません。



タートルマンの人生もパブロのペン生も、等しく一生です。
私はケナやパブロと同じようにどこかへ飛び立ちたい。


それにはまず、自分が何に幸せを感じるか。
見定められたら、次に何をすべきか。
自分で考えていくことが大切なんだろうな。


そんなことを考えながらの読書でした。


Have a nice day.
うん。
niceにするかどうかは私次第だよね。


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ハードカバーの本も通勤中に持ち歩きます。
カバーを取ってバッグに放り込んでいたから表紙にちょっとキズがついてしまいました。
本の小口のわりとギリギリまで本文が印刷されていたのも、装丁と併せて新鮮味がありました。