感想 言葉が通じてこそ、友達になれる

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茨木のり子さんと、師匠・金裕鴻(キム・ユーホン)さんの対談集です。

言葉が通じてこそ、友達になれる

言葉が通じてこそ、友達になれる



金さんは茨木さんの著書『ハングルへの旅』にも登場した、韓国語の先生。

茨木さんが韓国語の勉強をずっと続けられたのは金さんとの出会いがあったからということを読んでいたので、この本を見つけてすぐに手に取りました。



2/3はお二人による韓国語の面白さ、日本と韓国の気質や文化の違いについての対談、残り1/3は金さんが出会った韓国語学習者さんたちのエピソードで構成されています。


金裕鴻さんとはどのような方なのか?

この本の初版は2004年ですが、お二人の出会いは1976年頃。
今から30年以上も前のことです!
(茨木さんは2006年にご逝去されました)

茨木さんについてはこのブログでも少しだけではありますが触れたので、金さんについて、この本の著者紹介欄に記載のことを含めたことの他ネットで調べたことを紹介しますとー

1933年ソウル生まれ。
1955年来日。
NHK国際局のアナウンサーを経て韓国語教師。
著書に『しっかり学ぶ韓国語』、『韓国語がわかる。 ハングルは楽しい』『ハングル入門』など。

著書一覧を見たら・・・私も『韓国語会話とっさのひとこと辞典』を購入していました!
初めての韓国旅行に持って行ったな~。

検索してみたら、以前カフェレッスン体験をさせていただいたみょん先生のブログにも登場されていました。



それからYouTubeに動画もありました。
「あったかい雰囲気の話がおもろいおじいちゃん」←失礼やな!

動画を見たらいっきに親近感がわいて、本も楽しく読み進めることができます。
もし、これからこの本を読むという方はハングル能力検定協会さんがアップされている動画も併せて視聴することをおすすめします。


韓流ブームになる前、チョナンカンやヨン様が登場してから、そしてそれ以降の韓国語を取り巻く状況について話されていますが、『ハングルへの旅』を読んだとき同様、「内容が古い」と感じることは全くなく、「昔から韓国語を勉強する人はなにか熱意に溢れ、さらにその熱意はある時に下火になってもある時に再燃する。 強弱はあれど一度ついた火を持続させる粘り強さがあるな」と思えました。

この「粘り強さ」こそ、韓国人の“気質”なんだそうです。
日本人は生きて恥辱を受けるなら・・・と散り際の美を重要視する。
反対に韓国人は一族の誰かひとりでも生き残ればそれでよし、とにかく生き延びることを最優先事項とする。
「虎に噛まれ連れ去られても 気を確かに」なんて言葉もあるそうです。


韓国語を勉強して、韓国のことなら何でも知りたい! と興味津々になる学習者はいつしかそんな気質が少しずつ浸透してくるのかな・・・? なんて思ったり。

このほか、対談の中で特に印象に残ったのはこの一節です。

大まかで、大ざっぱでいいのですが、日本と朝鮮の過去の歴史を知っていてほしいと思うのです。 本で学ぶだけでなく、友人になった韓国人との会話の中にもヒントはたくさんあると思う。
「三・一運動」という言葉が出てきたら「それはなに?」と聞けばいいし、そうして知ってゆくのは、もっと濃密な知識になってゆくかもしれない。


私は映画を観るのが好きなので、好きな俳優さんが出演していたり、映画好きなペンパルさんのオススメで観る作品を選ぶことも多いのですが最近は日本統治下の朝鮮が舞台の映画や、逆に日本を舞台としている映画を何本か観ました。
それについてペンパルさんと感想のやり取りはしていませんが、異なる国の者同士、これまでに学校で習ったり一般常識的に染み込んでいる知識というのは異なるものです。
最近だとアイドルグループが着用したTシャツについて論争が巻き起こりましたよね。

お互いの文化に興味があるなら、こういう歴史があってそれぞれにこういう受け取り方をしているという事実も知っておくべきだなとは考えています。
まずはただ知る、だけでもいいんだと思います。




ちょっと固い話になってしまいましたが、後半の金さんが出会ってきた韓国語学習者とのエピソードは、私も含め学習者にとっても参考になる章となっています。

「もう韓国語の勉強はやめた」と言いながら、学んだ言葉を仕事に生かしている人。
韓国に行ったことはないけれどインターネットだけで成果を出した人。
在日韓国人として悩んだ末に韓国へ渡り人生を開いた人。
老後の生き甲斐を韓国に求めた人。
ひとつの言葉をしったことをきっかけに韓国に夢中になった人。


そんな先輩方のエピソードを読み、自分なりに韓国語や韓国カルチャーに触れていきたいと思ったのでした。


ハングルへの旅 (朝日文庫)

ハングルへの旅 (朝日文庫)




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