10月17日は昼間ではタール寺の見学。
お昼を食べてから西寧駅へ移動し、青蔵鉄道列車に乗り込みます。
西寧の街並み。
巨大な西寧駅!
列車に乗り込んだらスーツケースはまとめて1箇所に保管されてしまうので、寝台車に持ち込む用の荷物をまとめておく必要がありました。
私が持ち込み用に用意したのは富士登山のために買った登山用のリュック(容量30リットル)。
【中に入れた物】
・寝る時に履き替えるスウェットズボン(からだをしめつけない衣類がよい)
・手ぬぐい
・化粧セット
・薬セット
・ウェットティッシュ
・トイレットペーパー(芯を抜いてぺちゃんこにしたもの。これはチベットに入ってからも外出先などにも持って行った)
・水筒(洗面台のそばに熱湯の出るところがある。これでコーヒーを作ったり)、シリコンコップ、お茶・おやつセット
・列車内で履き替える100均スリッパ(シェアハウスでいつも使ってるシリコン製トイレ用スリッパを持って行った。トイレの床が濡れていたりする時に使えるのはやっぱり布製以外のスリッパ!)
・ヘッドライト(消灯後にあると便利)
・パスポート
・本や手帳類
・翌日、下車後に使うサングラスやダウンジャケット、帽子
【乗車時に注意されたこと】
・乗車中に標高の高いところを通るので、とにかく深呼吸して酸素を取り込むこと。
・寝ている間は酸素の吸入量が減るので、目が覚めた時に頭痛がしていることもあるので、起きたらまず新呼吸。
・呼吸をすると体内の水分も使われるので水分補給に気をつける。
・トイレはがまんしない。たくさん飲んでたくさん出す。
西寧駅を出発
こんなに大きな駅だとは思いませんでした西寧駅!
モニターでは繰り返し「親孝行しましょう」みたいな内容の(映像から想像)中国製の動画が流れていました。
発車まで時間があったので、小銭を作るために駅の中の売店に行ってみることに。
これね、ヨーグルト屋さん。
プレーンの他にスルーツ味のものもありました。
5元(100円)日本と同じ味。
チベットに行ってからもちょくちょく見かけ、向こうでも1個買った記憶が残ってます。
これが今回乗車した列車。
深い緑色がかっこいー。
スーツケースを中に置いてきた後、先頭まで行って記念写真撮ってこよーと歩きだしたものの高山地でのいきなりの駆け足は怖いのと、本当に早歩きだけでも息があがってきてタイムアップ。
急いで戻ってきて車両に乗り込みました。
乗り込んで自分の席に着いたすぐ後に、窓をふと眺めたら「あれ? 動いてますよね?」・・・発車のベルなどもなく静かに列車は発車。
怖いなあ!
車掌さんがこんな健康診断書と乗車券の回収に来て、それ以降は同じ部屋の方とおしゃべりの時間に。
西寧は標高2200m、ラサは3600m。
お菓子の袋もぱんぱんです。
途中、世界一の高所にある駅、タングラは5068m。
これまではペルーのアンデスにあるガレラ駅が4,781mで世界一だったそう。
青蔵鉄道
中国で唯一の鉄道空白地帯だったチベット自治区に2006年7月1日に開通。
既に西寧からゴルムドまでの830kmは、80年代から運行していましたが、ゴルムドからラサまでの1142kmを新たに開通。
工事は2001年から始められ、2005年に完成、総工費は4500億円かけられたと言われます。
タングラ駅を含む960kmが標高4000mを超えたところにあるため、工事は難航を極めました。
西寧からラサまでの走行距離は合計1960km。
車内で過ごす約10時間
14時56分に出発し、ラサ到着が翌日のお昼12時前くらいだったので9時間ちょい、約10時間を車内で過ごしました。
同僚からは「そんな長時間乗るなんてむーりー」「鉄オタ?」と言われましたが、列車の旅って別に座ったきりでもないし、しゃべってたり景色を眺めてたり何か書いたり読んだりしていて、案外時間が経つのはあっという間だったりします。
西寧を出発して1時間半ほどで青海湖(標高3200m)が見えてきました。
大きさは琵琶湖の約8倍。
中国最大の塩水湖。
そして、この景色が延々と続くのです。
でも、海じゃなくて湖。
超ブレてしまったorz
食堂車はこんな感じ。
ツアー旅行なので、テーブルは予約席。
基本、メニューは中華でした。
洗面所は案外キレイでした。
お向かいには洋式もあり。
他の方の話によると違う車両のトイレの方がキレイだったとか。
私もそっちに行ってみたのだけど、何回いっても空いてない。
キレイだからみんなそっちに入りに行くのか?
明け方に車窓から星を見よう! ということになり、20時くらいから各自就寝準備に。
21時頃には車両全体、おやすみモードに入っていました。
ふと、22時頃に目が覚めた・・・というのもトイレに行きたい! てハッと起きたのに、トイレに行ったらどこも空いてない!
違う車両を見に行ってもどこも塞がっている。
WHY?
トイレに入りたい人が集中してるのか? と思ったら車掌さんが来て「停車中はトイレのカギを閉めている」と教えてくれました。
夜間のキセル防止?
とにかく開かないものは開かないので、迫り来る尿意を押し殺し過ごした地獄の10分間。
本当に辛かった。
その後もなぜか約2時間おきにトイレ起床。
標高の高さは関係あるのだろうか?
高山病対策のお薬(といっても本当は緑内障のお薬)ダイアモックスを服用するとトイレが近くなると言われ飲まなかったのだけど、飲んでいたらどうなっていただろう((((;゚Д゚))))
そうこうしているうちに、4時くらいになったのでカーテンを開けて星を眺めてしばらく過ごしました。
私のコンパクトデジカメでは撮影できなかったので、写真はなし。
車窓いっぱいに広がった星空。
星座自体が日本で見るよりも大きかった!=空が近い。
電車がレールの上を進む音しか聞こえない中で眺める星空は不思議な感覚で、銀河鉄道に乗っているようでした。
ずっと見いていたかったけれど、睡眠も取らねば、だったのでしばらく眺めた後、再び眠りに。
結局、また2時間後くらいに、今度はみんなで起き出して身支度などを開始。
朝食時間の頃にナクチェ駅(標高4513m)を通過。
5068mのタングラ駅は寝ている間に通過。残念。
人間のからだは、いったん高所に行くとその時の状態を覚えているらしく、次回行った時の負担は減るそうです。
なので、寝ている間だったけれど一度5000m超を体験したということで、たしかに車内での活動は前日と比べてだいぶ楽になっていました。
朝食後はみんなそれぞれ、客室にいたり通路に出て景色を眺めたりで時間を過ごしました。
この黒い点々はヤクです!
乾燥している土地もあれば、こんなところも。
ダムシュン駅を通過。
軍隊???
雪山が見えてきます。
こんな大きな町も通過。
車窓右側にずっと見えていたのは雪山ニンチェンタンラ山脈(主峰は7111m)。
途中、列車は予定時刻よりも遅れての進行でしたが、突然、車掌さんが「あと10分くらいで着くよ」と言ってきました。
添乗員さんも「さっきはあと30分以上かかるって言ってたのに!」とびっくり。
中国、なんでもあり!
結局、予定時刻よりも少し早い昼12時前にラサ到着。
ラサ駅も巨大でした。
こんなに大きいとは思ってませんでしたすみません! と思うくらいに。
「開発」されてますね。。。
駅を出てすぐのところでは軍人さんが守衛に立っていて、添乗員さんからも写真撮影はダメと言われたので少し離れたところから撮影。
車もぶんぶん走っていて、本当に、「ラサって都会なんや・・・」という感想が第一でした。
すっかり『セブン・イヤーズ・イン・チベット』のイメージで来たもんなあ。
会社の子にこの映画のことを話したら「いつの映画?」と素で聞き返されてしまいました。
“古い映画”になってしまったのかな、これ(´・_・`)
次回は、ラサ市内(1日目)です。
続く。