感想 ハングルへの旅

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著者が茨木のり子さんだったから、韓国語勉強のためのTwitterアカウントのタイムラインに流れてきたこの本に興味を持った。

ハングルへの旅 (朝日文庫)

ハングルへの旅 (朝日文庫)



国語の教科書や試験問題で『自分の感受性くらい』『わたしが一番きれいだったとき』この詩に出会わなかった人は、ほぼ、いないのではないだろうか?



私は『自分の感受性くらい』が好きだ。
とても強くて、言葉が真正面からぶつかってくる感じが好きだ。
この本を読んで初めて、“試験問題に出てくる茨木のり子さん”ではない茨木のり子に触れ、彼女のポートレートも探して見てみたりもした。


この知的で凛とした雰囲気、めっちゃ、好きだ。
骨太な体格も。


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1666夜『倚りかからず』茨木のり子|松岡正剛の千夜千冊




自分が韓国語を勉強していなかったらこの本ーいや、のり子さんに出会うことはなかったと思う。

韓国語学習を始めたきっかけ、勉強して行く中で出会った人々のこと、日本語と韓国語に共通する事項の私的なまとめ、旅の記録ー。



新宿のカルチャーセンターで教えを受けていた金先生の授業の描写はとてもユーモラスだ。

또(また)という副詞を習ったときも、韓国での中学生時代の思い出ばなしをされ、教室で悪童どもが大騒ぎをしているところへ入っていらした老先生が、
「또! 또! 또! 또!(また また また また<おまえたちは>)」
と叱る物真似をされ、その甲高く粘りつくような濃音という発音方法が、まるで農家の庭脇で、とう とう とう と鶏を追いこむときの掛声とそっくりで、これまた一発で覚えられた。 


また、この金先生とのエピソードの中でおおいにハッとしたものがある。



「勉強するについて、僕を十分に利用して下さい。利用するのはあなたがたです」



まったく同じ言葉を、私自身も先月、韓国の知人から言われたばかりだった。

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のり子さんが勉強を始めたのは1970年代。
その頃と変わらぬ韓国人の“情”に、本を通じて再び触れて心臓をぎゅっと掴まれたような気分だった。



韓国語を勉強し始めて早2年が経過する私だが、今年はじめて「ハングルの日」を意識した。
この本でも1編のエッセイが収録されている。

隣国のように紀元前から大国にもろに大襲撃を受ける立場だったら、はたして日本語は今日まで命脈を保ちえただろうか? といつも思う。苦労しなかっただけ、母国語への憶いは日本のほうがずっとヤワかもしれない。
(略)
秋冷の一日「言葉の祝祭日」とは、なんて粋なんだろう。
この地球のどこかに「母国語の日」をつくって祝っている国が、ほかにもあるのだろうか。


先述の韓国の知人に「今日はハングルの日ですね」とメッセージを送ったら「祝ってくれてありがとう。ハングルを愛してくれるあなたがいるから、大韓民国はいつも幸せです」という返信がきた。


私は、私たちは、同じような立場にたったらこのような言葉を返せるだろうか?

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この他、韓国語に触れている人であれば「今の自分とかわらない!」「わかる~!」1986年に発刊された本とは思えないエピソード満載のエッセイ集である。




最後に触れられていた詩人・尹東柱(ユンドンジュ)。
実は、以前から名前だけは知っていた。
というのも、家の近所にこの方の名前が刻まれた石碑が建っているからだ。
この本でなぜあの場所に石碑があるのか、そして日本とどう関わっていたのかを知ることができたのも、また、縁なのだろう。


近いうちにパク・ジョンミン主演の映画を観るつもりだ。

空と風と星の詩人~尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯~ [DVD]

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